急に静かになった
昨日まで普通だったのに。
LINEの返信が、なんかそっけない。うん、そうだねだけで終わる。会ってるときも、どこか遠い目をしてる。どうかした?と聞いたら、別に。
別に、って何が別にだよ。
もやもやしながら、でもそれ以上聞けなくて。変に刺激したくなくて。結局そっかと言って流した。でもその夜、布団の中でぐるぐると考えた。怒ってるのかな、嫌いになったのかな、他に好きな人でもできたのかな。最悪の想像から順番に並べて、全部打ち消して、また最初に戻る。
これ、しんどいよな。情報がないまま、一人で空白を埋め続ける状態。
わからないには、種類がある
彼女が何を考えてるかわからないという状態、ひとくくりにしてるけど、中身が全然違うことがある。どれに当てはまってるかによって、対処が変わってくる。
感情を表に出さないタイプ
もともと喜怒哀楽を顔や言葉に出さない人。機嫌がいいのか悪いのか読み取れない。怒ってるのかと思ったら全然そんなことなかった、みたいなことが繰り返される。わからないんじゃなくて、表現が少ない人というだけだったりする。
言語化が苦手なタイプ
感情はちゃんとあるのに、それを言葉にするのが得意じゃない。どう感じてる?と聞かれても、自分でもうまく説明できない。別に、普通が多い人は、これのケースがわりと多い。
言えない何かがある状態
ちゃんと考えてること、感じてることがあるのに、言い出せてない。傷ついてるとか、不満があるとか、何か悩んでるとか。言葉にしたら揉めそうで、または心配かけたくなくて、飲み込んでいる状態。
そもそも関係が遠くなってきてる
気持ちが変化してきていて、距離を取り始めてる。わからないんじゃなくて、近づいてこなくなってるが正確な表現だったりする。
本人もわかってない
感情が自分でも整理できてない状態。なんかモヤっとするけど、なぜかは言えない。どうしたの?と聞かれても、正直、自分でもわからないが答えだったりする。
全部同じ対処をしようとすると、ズレる。
男女の伝え方の差という話、でも本質がある
言い古された話だと思ってる人も多いかもしれない。でも一個だけ、本当に重要なことがある。
女性は状況を話すこと自体を目的にすることがある。解決策は求めていない。男性は問題があれば解決しようとする。どうしたの?と聞くのも、原因を特定して対処したいからだ。でも彼女がなんかもやっとすると言ったとき、それはこういう理由じゃないの、こうすれば解決するよと返すのは、求められていないことをしてる状態になる。
うんうん、そうだったんだだけで十分なことがある。
頭でわかっていても実践が難しいんだけど、わからない状態を続かせてる原因のひとつが、ここにあることが多い。こちらが解決モードで入ってくるから、彼女がどうせわかってもらえないと言葉を飲み込んでしまう。
聞いても教えてくれないときの本当の理由
どうしたの?と聞いて別にと返ってくる。もう一度聞いたらなんでもない。なんでもないわけないじゃん、と思いながら引き下がる。そのもどかしさ、わかる。
でも別にが返ってくる理由は、いくつかある。
過去に話したとき、ちゃんと受け取ってもらえなかった経験がある。そんなこと気にしてたの、という反応が来たことがある。それが積み重なると、話してもわかってもらえないが先に来て、口が重くなる。心配かけたくない、弱いところを見せたくないという気遣いから大丈夫を言い続けてる人もいる。本当に自分でもわかっていなくて、なんかしんどいけど何がしんどいかが言えない場合もある。そういうときのなんでもないは嘘じゃなくて、説明できないことの表れだったりする。
聞かれたタイミングが、彼女にとって話せる状態じゃなかっただけ、という場合も実はある。別にはけっこうな頻度で、今は無理のことだ。
絶対に何かあると追いかけ続けた話
Aさんの話。
彼女が急に静かになった。返信も短くなった。会っても笑顔が少ない。Aさんは絶対に何かあると確信して、しつこく聞き続けた。本当になんでもないの? 俺、何かした? ちゃんと話してほしい。その夜だけで3回聞いた。
彼女は最初なんでもないを繰り返してたけど、4回目になんでもないって言ってるじゃん!と声が大きくなった。
心配して聞いてるのに、なぜ怒られるのか、とAさんは混乱した。後から彼女に話を聞くと、あのとき仕事のことで頭がいっぱいで、責められてる気がして余計しんどくなったと言っていたらしい。Aさんへの怒りじゃなかった。でも何かあるでしょと繰り返されることで、責められてる感覚になってしまった。
心配することと追い詰めることが、紙一重になってしまったケース。
聞くのをやめたら話してくれた話
Mさんは逆のアプローチを取った。
彼女がそっけなくなったとき、どうしたの?と一回だけ聞いた。なんでもないが返ってきた。そこで、やめた。追いかけなかった。責めなかった。ただ隣にいた。
その夜、いつも通りご飯を食べて、テレビを見て、特に何も言わないまま過ごした。帰り際、彼女がちょっと聞いてほしいんだけどと言ってきた。仕事で嫌なことがあって、でもどう話せばいいかわからなくて、ずっとモヤっとしてたと。
Mさんが後から言っていたのは、聞くのをやめたんじゃなくて、話してくれるのを待った感じ、だった。いつでも聞くよ、という空気だけ残して、あとは彼女のペースに任せたと。圧をかけないことが、扉を開けた。
察してほしいという期待について
言ってくれれば対応できるのに、なんで言わないんだろう、という気持ちはわかる。でも察してほしいという感覚、女性にはわりと自然にあるものだったりする。
大切な人なら気づいてくれるはずという感覚が、愛情の証拠として機能してることがあるから。言わなくてもわかってくれたが、この人は私のことをちゃんと見てるという安心感につながる。
察せない俺が悪い、でも言わない彼女が悪い、でもなく、お互いの回路が違うという話だ。だから察してほしいなら言ってよという言い方より、俺は察するのが得意じゃないから、教えてほしいという言い方の方が、ずっと届きやすい。
わからないが積み重なると、何が起きるか
最初は何考えてるんだろうという疑問から始まる。でもそれが続くと、疑問が不安に変わっていく。嫌いになったのかも、他に誰かいるのかもという想像が育ち始める。
その不安から防衛的な行動が出てくる。必要以上に確認する、彼女の行動を細かく気にし始める、些細なことで傷つきやすくなる。彼女からすると、突然彼氏がよそよそしくなったり過敏になったりしてるように見える。お互いになんかおかしいと感じながら、でもその原因を共有できないまま、空気だけが悪くなっていく。
わからないは放置するほど、解決しにくくなる。
では、どうやってわかる関係を作るか
話してくれる空気を作る
いつでも聞くよを言葉で伝えることより、行動で示す方が効く。話してくれたとき、否定しない。そんなこと気にしなくていいのにを言わない。大変だったねで受け止めてから、それ以上何も言わない。この経験が積み重なると、この人には話せるという感覚が彼女の中に育っていく。
どうしたの?より最近どう?
どうしたの?は、問題があることを前提にした聞き方だ。彼女がなんでもないと返しやすい。最近どう?、仕事大変そうだったけど落ち着いた?という聞き方の方が、入り口が広い。問題を掘り起こす感じじゃなく、普通に関心を持ってるという形になる。
聞く質を上げる
察することを頑張るより、聞く質を上げる方が現実的だ。聞いたとき、答えが返ってくるまで待つ。すぐ次の言葉を重ねない。沈黙を埋めようとしない。答えが出てきたとき、それをジャッジしない。それは違うんじゃない?、俺はこう思うをすぐ言わない。そっか、そうだったんだねだけで、一回受け取る。できてるようで意外とできていないことが多い。
自分の状態を先に開示する
彼女が何を考えてるかわからないと悩んでるとき、実は自分もあまり開示していないことがある。最近仕事でこんなことがあって、ちょっと落ち込んでた、実はこういうことが気になってたと、自分の内側を先に見せると、彼女も開示しやすくなることがある。自己開示は、相手の自己開示を引き出す。
彼女の沈黙を読む、いくつかのヒント
完璧には読めない。でもいくつかのパターンを知っておくと少し楽になる。
返信が短い=怒ってるとは限らない
疲れてるとき、忙しいとき、単純に言葉が出てこないとき。返信が短くなる理由は、感情的な問題以外にもある。短いから怒ってるという解釈に飛びつく前に、今忙しい?と一回確認してみる方が早い。
急に元気になるは、別の問題があるサインのこともある
モヤっとしてたのに急に明るくなった。解決したのかもしれない。でも諦めた、言うのをやめたという場合もある。その急に元気になる前後に何かあったかどうかを、記憶しておくといい。
なんでもないの後に何をするか
なんでもないと言った後、彼女がどう行動するかを見てみる。普通に話し始めるなら、本当になんでもなかった可能性が高い。さらに黙り込むなら、何かを飲み込んでる可能性がある。言葉だけじゃなく、その後の行動も含めて受け取ってみて。
わかろうとしてると伝えることの力
なんで言わないのじゃなくて、俺にはわからないことが多いから、教えてほしい。この言い方の違い、受け取る側には結構大きい。前者はわからないのは彼女の問題という構図だ。後者はわかろうとしてる自分を見せてる。完璧に察せなくていい。でもわかりたいと思ってるが伝わるだけで、彼女の中の何かが変わることがある。ちゃんと見てくれてる人だという安心感が育つと、言葉の扉が少し開きやすくなるから。
それでもわからないとき
少し逆説的なことを言う。全部わかろうとしなくていい。
人間の内側は、完全には見えない。どれだけ近くにいても、どれだけ長く一緒にいても、全部を把握することはできない。それは失敗じゃなくて、そういうものだ。
わからないことへの不安が強くなりすぎると、確認が増えていく。ちゃんと聞いてる?、本当に大丈夫?、何か隠してない?が繰り返されると、彼女にとっては常に監視されてる感覚になることがある。
わからないこともあると受け入れた上で、でもわかりたいと思ってるという姿勢でいる。この両方を持てると、関係の空気がずいぶん楽になる。
わからないと感じてる自分が、実は彼女をちゃんと見てる証拠
彼女が何を考えてるかわからないと悩んでる時点で、あなたはちゃんと彼女のことを見てる。無関心な人は悩まない。わかろうとしていない人は、わからないとすら思わない。
全部わかりたいから、一緒にわかっていきたいへ。その微妙な変化が、わからないをじりじりとわかるに近づけていくと思う。
彼女が何を考えてるかわからない状態は、関係が壊れかけてるサインとは限らない。表現が少ない人なのか、言えない何かがあるのか、本人もわかっていないのか、原因がどこにあるかで対処は全然違う。追いかけすぎない、でも無関心にもならない。話してくれる空気を作る、自分の内側も先に見せる、わかりたいという姿勢を言葉じゃなく行動で見せ続ける。それだけで、何かが動き始めることがある。
