また飲んで帰ってきた。また始まる
玄関の音がした。時計を見たら深夜1時。
ドアが開いた瞬間に、わかった。顔が赤い。目が据わってる。靴を脱ぐのにもたついてる。…また飲んできたんだ。
「おかえり」と言った。返事は「なあ、ちょっと聞いてよ」だった。始まった。
職場の愚痴が30分続いた。途中から何が言いたいのかわからなくなってきた。話を切ろうとすると「聞いてる?」と詰め寄られた。眠かった。明日も早いのに。でも機嫌を損ねたくなかったから、頷き続けた。
翌朝、彼氏はケロっとしてた。昨夜のことを覚えてない様子だった。
…覚えてないの?
「絡んでくる」の中身
酔うと絡んでくる、という状態にも種類がある。
愚痴や話が止まらなくなる。感情的になって責めてくる。甘えてきて手がかかる。意味不明なことを言い続ける。または攻撃的になる。
どのパターンかによって、しんどさの質と向き合い方が変わってくる。愚痴が止まらないのと、攻撃的になるのでは、全然別の問題だよ。
酔うと絡んでくる彼氏との生活で起きること
彼氏が飲む日が、こちらのストレス源になる
今日は飲み会があると聞いた瞬間から、帰宅後のことを考え始める。何時に帰ってくるか。どれだけ飲んでるか。今日は絡んでくるかどうか。
飲み会の予定が入るたびに、こちらの心が構える状態になってしまってる。
Fさんは「彼氏の飲み会の日は、夜から憂鬱だった。楽しいことがある日なのに、私には憂鬱な日だった。その非対称さが、じわじわしんどかった」と言ってた。
翌朝に彼氏が覚えてないことへの虚しさ
酔って絡まれた夜、深夜まで付き合った。眠れなかった。翌朝、彼氏がケロっとしてる。昨夜のことを「そうだっけ」と笑って流す。
彼氏にとっては記憶にない出来事が、こちらには確実に残ってる。その非対称さが、虚しさを生んでいく。
注意しても変わらないという体験が積み重なる
「飲みすぎないでほしい」と伝えた。「わかった」と言った。でも次の飲み会でまた同じだった。また言った。また「わかった」になった。また同じだった。
これが続くと「言っても変わらない」が定着してしまう。言うことをやめて、ただ耐えるか、爆発するかの二択になっていく。
お酒の問題、どこからが「問題飲酒」なのか
飲酒習慣と依存の違いを知っておく
毎日飲む、週に何回か飲む、それ自体は習慣の話だよ。
問題になってくるのはここから。飲むことを自分でコントロールできない。飲まないと約束したのに飲む。飲んだとき人格が変わって他者に影響を与える。飲んだことで生活や関係に実害が出てる。
アルコール依存症は、本人が「依存してる」と自覚してないことが多い。「俺は依存じゃない、好きで飲んでるだけ」という言葉は、依存してる人がよく言う言葉でもある。飲むと人が変わって絡んでくる状態が繰り返されてるなら、それは飲み方の問題として向き合う必要があるよ。
失敗談と成功事例、正直に出す
毎回付き合い続けた結果
Gさんは彼氏が酔って絡んでくるたびに、毎回付き合っていた。
怒らせたくない、機嫌を損ねたくない、次の日に気まずくなりたくない。そういう理由から、深夜に何時間でも話を聞き続けた。
1年後、Gさんは彼氏の飲み会の前日から胃が痛くなるようになってた。病院で「ストレス性の胃炎」と言われた。
身体が先に限界を伝えてた。それに気づいてから、やっと「これは普通じゃない」と思えたとGさんは言ってた。
毎回付き合うことが優しさだと思ってたけど、自分の身体を壊してまでやることじゃなかったと後から気づいたケース。
翌朝に話したら、初めて向き合えた話
Hさんは酔って絡んでくる彼氏への不満を、酔ってる最中に言うことをやめた。酔ってる状態では何も変わらないとわかっていたから。
代わりに、翌朝の素面のタイミングで話した。
「昨日のこと、覚えてる?深夜まで絡まれて、正直しんどかった。これが続くと私が限界になる」
彼氏は昨夜のことをあまり覚えてなかった。でもHさんが真剣な顔で言ってることへの重さは受け取った。「そんなにしんどかったのか」と言った。
その後、飲み会の後に絡んでくる頻度が減った。完全にはなくなってないけど、Hさんが限界だということを知ってから、少し変わったとHさんは言ってた。伝えるタイミングが、全てを変えたケース。
酔うと絡んでくる彼氏への、具体的な対処法
酔ってるときに付き合わない
酔ってる状態での絡みに、毎回応じることをやめる。
「今日は眠いから明日話して」「酔ってるときは話せないから、素面のときにしよう」と言って、会話を切る。
彼氏が不機嫌になるかもしれない。でも酔ってる状態では何も解決しない。応じ続けることが「酔って絡めば相手してもらえる」という回路を強化してしまってる。
切ることへの罪悪感があるかもしれない。でも酔ってる彼氏の感情処理に、こちらが毎回消耗する義務はないよ。
翌朝の素面のときに話す
昨夜しんどかったことを、翌朝に伝える。
「昨日、深夜まで絡まれて眠れなかった。正直しんどかった」。これだけ。長く説明しない。責める形にしない。でもちゃんと言う。
覚えてないから言っても意味がないと思うかもしれない。でも覚えてないからこそ、言わないと伝わらない。翌朝に毎回伝えることで、彼氏が自分の飲み方と向き合うきっかけになることがある。
具体的な限界を伝える
漠然と「飲みすぎないで」より、具体的に伝える方が効く。
「深夜に絡まれると翌日の仕事に支障が出てる」「月に何回もこれが続くと、正直限界になりそう」。数字や具体的な影響を出すことで、彼氏が現実として受け取りやすくなる。
「やめてほしい」より「私にはこういう影響が出てる」という形の方が、攻撃に聞こえにくい。
自分を守るためのルールを持つ
彼氏が飲んで帰ってきたとき、自分がどう動くかを先に決めておく。
「深夜に長時間話に付き合わない」「絡んできたら一度別の部屋に行く」「翌朝に必ず一言伝える」。ルールを持っておくことで、感情的にならずに動けるようになる。
その場で考えるから、毎回流されてしまう。先に決めておくことが、自分を守る仕組みになるよ。
お酒をやめない彼氏、変われるかどうかの見極め
変わる可能性があるサイン
翌朝に伝えたとき、申し訳なさそうにしてる。飲み方を変えようとする様子が行動に出てくる。「減らしてみる」と言って、実際に少し変わってきた。こちらの消耗を、自分の問題として受け取ろうとしてる。
自覚があって、変えようとする姿勢がある人は、時間はかかっても変わることがある。
変わらないサイン
翌朝に伝えても「そんなに大げさな」「お前が心配しすぎ」で流される。「わかった」と言うけど次も同じ。絡んでくることへの罪悪感が全くない。飲み方を変える気がそもそもない。
炎上覚悟で言う。飲み方を変える必要があると思ってない人は、外から変えることができない。飲酒に関わる問題は、本人が本気で向き合う気にならない限り、どれだけ周りが言っても変わらない。
これからどう向き合うか
アルコールの問題が絡んでるなら、専門家への相談を視野に入れる
飲むと人格が変わる、コントロールできない、翌日覚えていないが続いてるなら。
それはアルコール依存の可能性がある。この場合、彼女の言葉だけで変わることは難しい。専門機関への相談や、支援団体のサポートが必要になることがある。
「アルコール依存かもしれない」と指摘することへの抵抗があるかもしれない。でも問題を正確に名前で呼ぶことが、向き合いの第一歩になることがある。
こちらの消耗を、正直に把握する
胃が痛くなった。眠れなくなった。彼氏が飲む日が憂鬱になった。身体や感情に、具体的な影響が出てきてるならそれは限界のサインだよ。好きだから我慢するという論理が通用する段階を、すでに超えてる可能性がある。自分の身体と感情を守ることと、彼氏を大切にすることは、どちらかを選ぶ話じゃないからしっかり考えよう。
