夜十一時。
部屋の中、しんと静か。
テレビの音だけが、意味もなく流れてる。
なんだか、胸のあたりが、ぽっかり。
無意識に、スマホを手に取ってた。
元カレのトーク画面を、開きかけて。いや、これはダメなやつ
閉じて、今度はマッチングアプリを、なんとなくスワイプ。
そのうち、通販サイトで、別に要らない服を、カートに入れてる。
…あれ。私、今、何を埋めようとしてるんだっけ。
一人の夜に、ふっと寂しさが押し寄せてくること、あるよね。理由なんてないのに、無性に心細い。誰かと繋がってたくて、つい、スマホに手が伸びる。
寂しさは、心が出してる空腹の信号
寂しくてたまらない時、手っ取り早く、この気持ちを消したくなるよね。ネットで調べると、好きなことをして気を紛らわそう、なんてアドバイスが並んでて、そっか、何かで埋めればいいんだ、って思う。でもね、その手軽な埋め方が、いちばんの落とし穴なの。寂しさって、実は、心が出してる、空腹の信号だったりするから。
すきっ腹に、深夜のジャンクフードを流し込む愚かさ
お腹が、ぺこぺこな時をイメージして。そこへ、深夜に、ポテチとか、菓子パンとか、手近なジャンクフードを、がーっとかき込んだら、どうなると思う?その場は、満たされた気がするでしょ。でも、しばらくすると、また、お腹が空く。しかも、体には、なんの栄養にもなってない。むしろ、胃もたれして、罪悪感だけが、残る。
寂しさを、手近なもので埋めるのって、まさにこれなの。心が空腹を訴えてるところに、とりあえず手が届く刺激を、流し込む。その瞬間は、寂しさが紛れる。でも、すぐにまた、ぽっかり空く。しかも、心の栄養には、まるでなってない。
すきっ腹のジャンクフードは、空腹を、根本的には満たさないの。あなたの寂しさが、埋めても埋めても、またぶり返すのは、間違ったもので、埋めてるからなんだよね。
手近なもので即埋めるのが、いちばんダメ
寂しさを、手近な誰かや、刺激で、即座に埋めようとするのは、いちばんやっちゃいけないこと。
空腹信号を無視して、目についたものを、手当たり次第、口に詰め込む。それ、暴食でしょ。心の暴食を繰り返してると、あなたの心は、どんどん荒れていくの。
そんなに好きでもない人からの誘いに乗る。元カレに、意味もなく連絡する。マッチングアプリで、ひたすら相手を探す。別に欲しくないものを、衝動買いする。かまってほしくて、友達に、重めのLINEを送る。…これ、ぜんぶ、深夜のジャンクフードなの。その場しのぎで、あとで、もっと空しくなるやつ。
その場は満たされても、栄養にはならない
考えてみて。手近なもので寂しさを埋めた翌朝、あなたの心、どうなってる?
そんなに好きでもない人と過ごした後の、あの、余計に募る孤独感。元カレに連絡して、優しくされて、でも結局、何も変わらなくて、前より落ち込む、あの感じ。衝動買いした服を見て、なんでこんなの買ったんだろ、って、ため息が出る朝。
ぜんぶ、栄養になってないんだよね。むしろ、心の胃もたれと、罪悪感だけが、残ってる。手近な埋め方は、寂しさを、一時的に麻痺させるだけ。根っこの飢えは、ちっとも、満たされてないの。だから、また夜が来ると、同じように、ぽっかり空くんだよ。
なぜ、間違ったもので埋めてしまうのか
じゃあ、なんで、栄養にならないと分かってても、手近なもので埋めちゃうのか。中身を、開けてみるね。
空腹が、つらすぎて、待てない
いちばん根っこにあるのが、これ。寂しさっていう空腹感が、あまりに苦しくて、ちゃんとした食事を作る時間が、待てないの。
お腹が、ぎゅうっと鳴って、我慢できない時、人は、栄養バランスなんて考えないでしょ。とにかく、今すぐ、何か口に入れたい。目の前の、手っ取り早いもので、この空腹を、黙らせたい。
寂しさも、同じなの。この、胸がえぐれるような感覚を、一秒でも早く、消したい。だから、じっくり自炊するみたいに、自分と向き合う余裕なんてなくて、手近なジャンクフードに、飛びついちゃう。空腹の苦しさが、あなたを、焦らせるんだよね。
一人でいることに、耐えられない
もうひとつ、多いのがこれ。一人でいる時間そのものが、こわい、っていう感覚。
一人の静けさが、寂しさを、際立たせるでしょ。その静けさに、押しつぶされそうで、誰かと繋がってないと、不安でたまらない。だから、繋がりを求めて、手近な相手に、連絡してしまう。相手が誰でも、繋がってる感覚が、ほしくなる。
でもね、一人でいられないから繋がりを求める、っていうのは、空腹に耐えられなくて暴食するのと、まったく同じ構造なの。その繋がりは、栄養じゃなくて、その場しのぎのジャンクフード。一人が埋まらない限り、誰と繋がっても、その飢えは、消えないんだよ。
深夜のジャンク食いを、やりまくってた頃の私
白状するね。私、この心の暴食、めちゃくちゃやってた側なの。
寂しい夜が来ると、もう、いてもたってもいられなくて。元カレに、元気?なんて、意味もなくLINEしたり。そんなに好きでもない人からの誘いに、寂しさ紛れに乗っかったり。夜通し、マッチングアプリを、スワイプし続けたり。通販で、要らないものを、ぽちぽち買ったり。ぜんぶ、寂しさを埋めるための、深夜のジャンク食いだった。
正直に、あの頃の頭の中を晒すね。(何でもいいから、この寂しさを、今すぐ消したい…)って、それだけ。栄養になるかどうかなんて、考える余裕、なかった。でも、埋めても埋めても、翌朝には、もっと空しくなってて。心の胃もたれと、罪悪感が、どんどん溜まっていったんだよね。…その先に、何が待ってたか。あとで、正直に話すね。
寂しさは、消すんじゃなく、読むもの
じゃあ、寂しさと、どう付き合えばいいのか。ここで、いちばん大事な、発想の転換をするね。寂しさは、埋めて消す対象じゃ、ないの。
空腹信号は、何が足りないかを教えてくれてる
考えてみて。お腹が空く、っていう信号は、悪者?違うでしょ。あれは、体が、栄養が足りないよ、そろそろ食べてね、って、教えてくれてるサインなの。信号があるから、私たちは、ちゃんと食べて、生きていける。
寂しさも、まったく同じなの。あれは、消すべき厄介者じゃなくて、あなたの心が、何かが足りてないよ、って、教えてくれてる、大切な信号。この寂しさは、あなたに、今、何が欠けてるのかを、知らせてくれてるの。
だから、やるべきは、その信号を、手近なもので黙らせることじゃない。その信号が、何を訴えてるのかを、ちゃんと、読むこと。寂しさを、消すんじゃなくて、読む。ここが、ぜんぶの分かれ目なんだよね。
何に飢えてるのか、を見極める
じゃあ、どう読むのか。あなたの寂しさが、本当は、何に飢えてるのかを、見極めるの。
恋人が欲しい、っていう寂しさなのか。それとも、恋人が欲しいんじゃなくて、ただ、誰かに、自分の話を聞いてほしいだけなのか。深い繋がりに、飢えてるのか。自分の存在を、認めてほしいのか。何かに、夢中になりたいのか。…寂しさの中身って、実は、一つじゃないの。
たとえば、恋人が欲しいと思って、手当たり次第に相手を探してたけど、よく読んでみたら、本当に飢えてたのは、恋人じゃなくて、心を許せる友達との、深い時間だった、なんてこと、よくあるの。空腹の正体が、甘いものじゃなくて、実は、あったかいスープだった、みたいにね。中身を、間違えないこと。それが、正しく満たすための、第一歩なんだよ。
ジャンクフードじゃなく、ちゃんと自炊する
何に飢えてるかが、見えてきたら、どう満たすか。手近なジャンクフードじゃなくて、心に、ちゃんと栄養になるものを、自分で作るの。その手順を、渡すね。
自分で自分を、満たせる術を持つ
いちばん大事なのが、これ。誰かに埋めてもらうんじゃなくて、自分で自分を、満たせるようになること。心の、自炊の力を、身につけるの。
一人の時間を、豊かにしてくれるものを、育てていく。没頭できる趣味、心が落ち着く習慣、自分を大事にする時間。彼氏がいなくても、誰かに構ってもらわなくても、自分で、自分の心を、満たせる術。これが、あなたの心の、いちばんの栄養になるんだよね。
自炊できるようになると、どうなると思う?寂しい夜が来ても、慌てて、ジャンクフードに飛びつかなくて、済むようになる。あ、心が空腹だな、じゃあ、これで満たそう、って、自分で、ちゃんとしたごはんを、作れるようになるの。手近な誰かに、頼らなくてよくなる。
飢えの種類に合った、栄養を選ぶ
そして、読んだ空腹の中身に、合わせて、満たし方を選ぶの。ここが、腕の見せどころ。
話を聞いてほしい、っていう飢えなら、信頼できる友達に、ちゃんと会って、話す。深い繋がりが欲しいなら、上辺じゃない関係を、じっくり育てる。夢中になりたい、っていう飢えなら、心が躍ることに、時間を注ぐ。自分を認めてほしいなら、小さな目標を立てて、達成する。
飢えの種類が違えば、必要な栄養も、違うの。全部を、恋愛で埋めようとするから、こじれる。恋愛じゃないと満たせない飢えもあれば、友情や、趣味や、自分自身との時間で、満たせる飢えも、あるんだよね。中身を読んで、それに合ったものを、選ぶ。それが、いちばん確実に、寂しさを満たす方法なの。
心の空腹が、あまりに深く続くなら
ひとつ、線を引いておくね。
もし、何をしても、その寂しさが、まったく満たされない。心の空腹が、あまりに深くて、日常が、うまく回らない。眠れない、食べられない、何にも興味が持てない。そんな状態が、長く続くなら。それは、あなた一人の力で、なんとかしようとしなくて、いいの。
そういう時は、専門的に支えてくれる場所を、頼っていい。カウンセラーとか、お医者さんとか。心の飢えの根っこには、もっと深いものが、絡んでることも、あるからね。あなたが弱いから、満たせないんじゃないの。一人で抱えるには、その空腹が、深すぎるだけ。誰かの手を借りるのは、ちっとも、恥ずかしいことじゃないんだよ。
ジャンク食いで荒れた私と、自炊を覚えた私
最後に、私自身の話を、二つ。寂しさを、間違ったもので埋めてた私と、そこから、ちゃんと満たせるようになった私。同じ人間の、転落と、立て直しの記録。
手近なもので埋め続けて、心が荒れた私
さっき書いた、深夜のジャンク食いの続き。あれを、続けた結果、どうなったと思う?
寂しさを、手近なもので、埋め続けた。元カレに連絡して、その場は、寂しさが紛れる。でも、翌朝には、なんで連絡しちゃったんだろ、って、前より落ち込む。そんなに好きでもない人と過ごして、余計に、孤独が募る。要らないものを買って、罪悪感が溜まる。
埋めても、埋めても、また、ぽっかり空くの。しかも、そのたびに、心が、少しずつ、荒れていった。自分のことが、だんだん、嫌いになっていった。こんな、その場しのぎばかりしてる自分、って。ある夜、また元カレのトーク画面を開いてる自分に気づいて、指が、止まった。私、何やってるんだろう、って。胸の奥が、すうっと、冷たくなった。手近なジャンクフードを、心に、詰め込み続けた結果、残ったのは、胃もたれと、罪悪感と、前より深い、寂しさだけだったの。はぁ…あの頃の自分、ほんとに、しんどかったな(泣)
空腹の中身を見極めて、自炊できるようになった私
心が荒れきった私が、そのあと、どうやって、立て直したか。
ある時、気づいたの。私、寂しさを、消すことばっかり考えてたけど、そもそも、私、何に飢えてるんだろう、って。はじめて、その空腹の信号を、ちゃんと、読んでみた。そしたらね、私が本当に飢えてたのは、恋人じゃなかったの。誰かと、上辺じゃない、深い時間を過ごすことに、飢えてた。そして、何かに、夢中になれてない、自分自身にも。
だから、埋め方を、変えた。手当たり次第に相手を探すのを、やめた。代わりに、昔からの友達に、ちゃんと会って、深く話す時間を、大事にした。放置してた趣味に、もう一度、没頭してみた。自分で、自分の心を、満たす、自炊を、少しずつ、覚えていったの。時間は、かかったよ。
そうしてるうちに、変わってきた。寂しい夜が来ても、慌てなくなったんだよね。あ、今、心が空腹だな、って、まず、気づける。で、これは、話を聞いてほしいのか、夢中になりたいのか、って、中身を読んで、それに合ったもので、満たせるようになった。手近なジャンクフードに、飛びつかなくても、よくなったの。
面白いのはね。自分で自分を満たせるようになったら、寂しさそのものが、前より、ずっと、穏やかになったの。ある夜、一人の部屋で、好きな音楽をかけながら、あったかいお茶を飲んでて、ふと思った。あれ、私、一人だけど、ちっとも、寂しくないや、って。胸が、ことんと、静かに、満ちてた。あの、ジャンク食いで荒れた時期があったから、自炊の大切さが、身にしみて、分かったんだよね。
