いいね、また今度ね
その返信を見た瞬間、ちょっと心が弾んだ。
また今度、って言ったってことは、脈あり…だよな?
なのに、それから一週間。
こっちから、じゃあ来週あたり、って送っても、既読はつくのに、話が進まない。
考えとくね、と言われた件も、あれから音沙汰なし。
スマホを見つめて、首をかしげる。え、脈ありじゃなかったの?
はっきり断られたわけじゃない。むしろ、言葉だけ見れば、感触は悪くなかった。それなのに、なぜか一歩も前に進まない。この、期待させといて進まない感じが、いちばん人を惑わせるんだよね。
また今度ね、は日本語の顔をした外国語
また今度ね。考えとく。この言葉を前向きに受け取って、あとでモヤモヤした経験、あるでしょ。ネットで調べると、脈ありの可能性もあります、なんて希望を持たせる記事が出てきて、ちょっと安心する。でもね、その安心が、あなたを遠回りさせるの。この言葉たちは、日本語のふりをした、まったく別の言語だったりするから。
あなたは辞書を、引き間違えてる
考えてみて。また今度ね、を、言葉のまま受け取ると、また近いうちに、って意味に見えるでしょ。考えとく、なら、前向きに検討してくれてる、って。
でも、これ、誤訳なの。この言葉は、社交辞令っていう別の言語で書かれてて、日本語の辞書で引いちゃいけないやつなんだよね。社交辞令の辞書で、また今度ね、を引くと、そこにはこう書いてある。もう会う気はありません、って。
つまり、あなたは今、フランス語の単語を、英語の辞書で調べて、まるで違う意味に読んじゃってる状態。単語の見た目が同じでも、属してる言語が違うの。引く辞書を間違えると、Noが、Yesに化けて見える。ここが、ぜんぶの始まりなんだよ。
また今度ね、の九割は、英語のNoに当たる
はっきり言うね。炎上、覚悟の上で。
また今度ね、の九割は、英語で言うNoに相当する社交辞令。
英語圏でさ、Weshould hang out sometime、いつか遊ぼうよ、って言われても、それ本気で予定を組もうとしてるわけじゃない、って話、聞いたことない?あれと、まったく同じ構造なの。sometime、いつか、が入った時点で、それは、その気がないことを、やんわり伝える定型文。
また今度、考えとく、も、これとぴったり重なる。はっきりNoと言う代わりに、相手を傷つけないように、やわらかいオブラートで包んだ拒絶。会いたい人には、いつか、なんて曖昧な言葉、そもそも使わないの。
なぜ、女性はこの言語で話すのか
じゃあ、なんで、はっきり無理って言わずに、こんな回りくどい言語を使うのか。その事情を分かってないと、あなたは一生、辞書を引き間違え続けることになる。中身を、開けていくね。
はっきり断ると、角が立つのが怖い
いちばん大きいのが、これ。ごめんなさい、あなたには興味ありません。これを面と向かって言うの、女性にとって、けっこう勇気がいるんだよね。
だって、相手が傷つくのが見えるでしょ。気まずくなるし、その場の空気も凍る。もし共通の知り合いがいたら、なんか噂になるかも、なんて心配もよぎる。だから、直接的なNoを避けて、また今度、っていう、やわらかい言語に翻訳して伝えるの。
これ、意地悪でやってるわけじゃないの。むしろ逆で、あなたを傷つけたくない、っていう気遣いから来てることが多い。優しさが、遠回しな言い方になって出てる。ただ、その優しさが、受け取る側を混乱させちゃうんだけどね。
断ったあとの、逆恨みがこわい
もうひとつ、これは切実な話。はっきり断ったことで、相手が逆上したり、しつこくなったりするのを、警戒してる場合。
残念だけど、無理って言われて、なんでだよ、って怒る人、いるんだよね。断ったら態度が急変した、みたいな経験、女性は一度くらいしてたりする。だから、相手を刺激しないように、やんわりとした社交辞令で、そっと距離を取ろうとするの。
また今度、考えとく、は、揉め事を避けるための、防御の言語でもある。相手に逃げ道を残しつつ、自分も安全に引く。そういう、処世術としての一面もあるんだよ。
社交辞令を使う側だった、私の告白
私、この社交辞令、めちゃくちゃ使う側だったの。
そんなに興味のない人から誘われた時、私はいつも、あー行けたらいいな、また今度ね!って、にこやかに返してた。相手が、じゃあ今度いつにする?って食いついてこない限り、その今度が来ることは、まずなかった。
正直に、あの時の頭の中を晒すね。(ごめん、はっきり無理とは言いづらいから、察してほしい…)って、いつも思ってた。断るのが申し訳なくて、でも会う気はなくて。その板挟みを、また今度、っていう便利な言葉で、ぜんぶ逃がしてたの。
考えとくね、も同じ。あれは、考える気ゼロの、やんわりNo。私にとっては、はっきり断らずに済む、魔法の呪文だった。…あなたの気になってる彼女も、もしかしたら、私と同じ気持ちで、その言葉を使ってるかもしれないよ。ゾッとした?でも、これが内側の本音なんだよね。
ただし、文脈しだいで、本当に前向きな時もある
また今度、考えとく、が、百パーセントいつもNoか、っていうと、そうでもないの。文脈によっては、本当に前向きな意味のこともある。たとえば、今日はもう時間がないから、その話は改めてゆっくり、っていう状況の、また今度、なら、これは本気の可能性が高い。考えとく、も、本当に検討が必要な、重い相談ごとへの返事なら、額面どおりのことがある。
だから、言葉だけを切り取って、脈なしと即断するのも、違うの。大事なのは、その言葉が、どんな文脈で、どう使われたか。その見分け方を、次でちゃんと渡すね。
あなたの、あれ?という違和感は、正しい
いったん彼女から離れて、あなたの感覚の話。前向きな言葉をもらったのに、なんか進まないな、って引っかかってるでしょ。その違和感、あなどっちゃダメだよ。
本気の人は、社交辞令のあとに日付を続ける
いちばん確かな見分け方が、これ。また今度、のあとに、具体的な日付が続くかどうか。
本気で会いたい人はね、また今度!で終わらせないの。また今度、じゃあ来週の土曜はどう?って、社交辞令の直後に、ちゃんと具体的な提案をくっつけてくる。言葉が、日付っていう行動に、すぐ翻訳されるんだよね。
逆に、また今度ね!が、そこでぷつっと途切れて、あなたが日付を出しても、ふわっとかわされるなら。それは、社交辞令が社交辞令のまま、ってこと。文法で言うと、また今度、の後ろに、目的語である日付が、入ってこない。それが、Noのサインなの。
脈ありのページばかり、探してない?
ちょっと厳しいこと言うね。あなたが今やってるの、辞書のNoの項目を、見て見ぬふりしてる状態かもしれない。
また今度ね、を引くと、辞書にはちゃんと、脈なし、って書いてある。なのに、その意味を認めたくなくて、わざわざページをめくって、脈ありって書いてある別の解釈を、必死で探してる。ネットで、また今度、脈あり、って検索するの、まさにそれ。
でもね、いくら探しても、あなたが見たい対訳は、載ってないの。都合のいい意味を探すのをやめて、辞書に最初から書いてあるNoを、まっすぐ読む。それができた時に、はじめて次へ進めるんだよ。
正しい対訳表を、覚えておく
じゃあ、混乱しないために、社交辞令の言語と、その正しい日本語訳を、対にして覚えておこう。これを頭に入れとくだけで、誤訳が、ぐっと減るから。
また今度ね、考えとく、の本当の意味
まず、代表的なやつ。また今度ね。この正しい対訳は、今のところ、あなたと会う予定を入れる気はない、なの。今度、が具体的な日付に変わらない限り、その今度は、ずっと来ないと思っていい。
考えとく、これは、もう心の中では答えが出てる、が正解。前向きに考えてる時、人は、考えとく、なんて曖昧な保留はしないの。いいね、やろう、ってその場で乗ってくるはず。考えとく、が出た時点で、その答えは、たいていNoのほうに傾いてる。
どっちも、共通してるのは、時間を稼いで、やんわり距離を取るための言葉、ってこと。あなたを傷つけずに、フェードアウトするための、優しい嘘なんだよね。
忙しくて、機会があれば、も同じ言語
似た仲間も、覚えておいて。最近忙しくて。機会があればぜひ。都合が合えば。…これ、ぜんぶ、また今度、と同じ言語の単語なの。
機会があれば、は、自分から機会を作る気はない、って意味。都合が合えば、は、あなたに合わせて都合をつける気はない、ってこと。会いたい人になら、忙しくても機会をこじ開けるし、都合を無理やり合わせるんだから。
これらの単語が出てきたら、辞書を引くまでもなく、ソフトなNoだと思っていい。言葉は優しいけど、意味は、わりとはっきりしてるんだよ。
誤訳を認めたら、次の一手
対訳が分かったら、どう動くか。社交辞令を無理やり前向きに読み替えるのも、ずっと待ち続けるのも、どっちも違うと思うの。
一度だけ、日付を出して答え合わせ
まず、最後にもう一回だけ、具体的な日付を出して、答え合わせをしてみて。また今度、って言われた件について、じゃあ来週の金曜、空いてる?って、はっきり日を切って聞くの。
これで、社交辞令が本気か、ただの定型文か、いっぺんに分かる。日付を出した時、いいね、その日で!って乗ってくるなら、脈がある証拠。逆に、その日はちょっと、で、代案も出てこないなら…それが、正しい対訳。Noで、確定なんだよね。
一回、勇気を出して、日付でぶつけてみる。それが、辞書を引き続けるより、ずっと早く、真実を教えてくれるから。
Noと分かったら、きれいに引く
答え合わせの結果、やっぱりNoだった。そうなったら、潔く引くのが、いちばんかっこいい。
何度も追いLINEを送るのは、やめよう。相手はもう、社交辞令っていう、いちばん優しい言葉で、答えをくれてるんだから。それを何度も引っくり返そうとするのは、せっかくの相手の気遣いを、無視することになる。しつこくすると、優しいNoが、冷たいNoに変わっちゃうよ。
Noを、きちんとNoとして受け取って、静かに次へ行く。それができる人は、次の恋で、ちゃんとYesをもらえる人なんだよね。
脈がないのに絡み続けるなら、それは別の話
ひとつ、線を引いておくね。
相手が、明らかに社交辞令でNoを出してるのに、それを認めずに、しつこく誘い続ける。連絡を重ねる。相手が距離を取ってるのに、詰め寄る。これ、やっちゃうと、もう脈の見分けの話じゃなくなるの。相手を困らせる行為に、なっちゃうから。
断られたことを、受け入れられないのは、しんどいよね。分かる。でも、相手が優しい言葉で示してくれた線は、ちゃんと尊重しよう。それが、お互いのためだから。引き際を心得てる男は、それだけで、次のチャンスに近づいてるんだよ。
誤訳して玉砕した私と、正しく訳して次へ行った友人
最後に、実話を二つ。社交辞令の翻訳をめぐって、まるで違う結末になった話。片方は、私のちょっと痛い過去。
また今度、を前向きに誤訳した私
社交辞令を使う側だった私だけど、恋する側になると、途端にポンコツになったの。
昔、片想いしてた人がいてね。デートに誘ったら、いいね、また今度ね!って返ってきた。私、舞い上がったんだよね。また今度って言った、脈ありだ、って。自分がその言葉を、どういう意味で使ってたか、すっかり棚に上げてさ(笑)
それから、しつこく誘った。来週は?再来週は?って。返事は、いつも、ごめんちょっと今バタバタしてて、また落ち着いたら。私はそれすら、忙しいだけ、って前向きに誤訳した。辞書に、Noって書いてあるのに、脈ありのページを、必死でめくってたんだよね。
結局、その今度は、一度も来なかった。ある日、その人に彼女ができたって聞いて、やっと目が覚めた。あの、また今度、は、最初からはっきりNoだったんだって。自分が普段使ってた言語を、いざ自分が言われる側になると、まるで読めなくなる。人間って、都合いいわ。はぁ…あの数ヶ月の空回り、思い出すと、いたたまれない(泣)
考えとく、を正しく訳して、次へ行った友人
こっちは、友人の男の話。彼が、ある女性を食事に誘った時のこと。
返ってきたのが、うーん、考えとくね、だった。私だったら、考えといてくれるんだ、って期待しちゃう場面。でも彼、冷静だったの。あ、これは社交辞令だな、って、すぐ気づいた。
彼、答え合わせに、一回だけ、じゃあ来週の水曜はどう?って、具体的な日を出してみたんだって。そしたら、その週はちょっと、って、案の定、ふわっとかわされた。代案も、なし。彼は、そこで、なるほど、これはNoだ、って正しく翻訳して、きれいに引いたの。しつこく食い下がったりは、一切しなかった。
で、面白いのがここから。彼はそのあと、変に引きずらずに、別の出会いに、さっさと目を向けたの。しばらくして、今度は、誘ったら即、いいね行こう!日付どうする?って、日付を自分から出してくれる女性と出会って、あっという間に付き合ったんだよね。
彼が言ってたこと、忘れられない。考えとく、を正しくNoって訳せたから、無駄な時間を使わずに、ちゃんとYesをくれる人に、たどり着けた、って。社交辞令を見抜く力って、失恋を避ける力じゃなくて、正しい相手に早く出会う力、なんだなって。あの、引き際の潔さ、正直、見習いたいわ。
