八ヶ月ぶりの、LINE。
スマホがブッと震えて、ロック画面に名前が出た。
「元気してる?」
八ヶ月。
その間、一度も来なかった。誕生日にも、年末にも、何も。
なのに、指が勝手に動いてトーク画面を開いてた。開いた自分にちょっとイラッとしたけど、開いちゃったものは仕方ない。
心臓がドクドクなんで今さらとちょっと嬉しいが同時に走って、頭の中がぐちゃぐちゃ。
枕元のスマホを一回置いて、また持ち上げて、また置いた。
返信を打っては消し、を三十分。
結局送ったのは、元気だよ、だった。負けた気がしたなあ、あのとき。
知りたいのは彼の気持ちより、自分の扱われ方
久しぶりに連絡してくる男を調べる人が本当に確かめたいのは、彼の脳内じゃないと思う。
確かめたいのは、自分がどのポジションに置かれてるか。
本命なのか、キープなのか、それとも連絡先リストをスクロールした結果の三番目なのか。
返信していいかどうかで悩むのも、そこがわからないから。
飛びついたら安い女に見えるかも、という計算が働くでしょ。その計算、必要ないと思うんだけどね。
沈黙を破る男の頭にあるもの
ふと思い出しただけ、が一番多い
がっかりさせるようだけど、これが最頻値。
似た名前を見た、行ったことのある店の前を通った、共通の友人の話が出た。
きっかけはそのくらい薄い。
深い決意も、復縁計画もない。指が動いた、以上。
だから返信が来ても、そこから何も発展しないパターンが山ほどある。
寂しさの穴埋めに、在庫を確認している
金曜の深夜、というタイミングがすべてを語ってた。
恋人と別れた直後、仕事で凹んだ夜、飲み会の帰り道。
自分が満たされてない状態のとき、過去に好意を向けてくれた相手のリストを開くの。
在庫確認。ひどい言い方だけど、それに近い。
まだ自分に興味があるかどうかを確かめて、あると確認できたら安心して、また消える。
返信が来た時点で目的が達成されるから、会う話にすらならない。
他がうまくいっていないから、戻ってきた
別れた恋人からの連絡が典型。
新しい相手と比べて、あなたのほうが良かったと気づいた。ここだけ聞くと感動的なんだけどさ。
比較の結果として選ばれてるって、けっこうしんどくない?
うまくいってる時期には一切来なかった。それが事実。
また次にうまくいく相手が現れたら、同じように消える可能性が高い。
本気で後悔して、勇気を出した
少数だけど、ある。実在する。
このタイプの見分け方は簡単で、最初の一通目に具体性があるの。
あのとき自分がどうだったか、何を後悔してるか、今どうしたいか。
元気してる、では絶対に始まらない。
何かを頼む前振り
保険、結婚式の余興、副業の勧誘、引っ越しの手伝い。
三往復くらい世間話をして、そこから本題に入るやつ。
最初のメッセージが妙に丁寧で、近況を詳しく聞いてくる場合は少し警戒していい。
返信して、三ヶ月無駄にした話
会う約束が、二回流れた
返した後、やりとりは続いた。一日五往復くらい。
もしかして、やり直せる?
そう思った自分がいたのは否定しない。夜、布団の中で口元がゆるんでた。恥ずかしいけど本当。
二週間目に、彼が言った。今度ごはん行こうよ、と。
出た。きた。
日程を出したら、来週は無理そう、と返ってきた。
翌週、また日程を出した。ごめん急に予定が、と返ってきた。
三回目は、こっちから出せなかった。
その頃には返信の間隔が半日になってて、一ヶ月後には途切れた。
会う気がない男の合図は、主語がないこと
気づいたのは、後になってから。
彼の誘い方には、いつも主語と日付がなかった。
今度、そのうち、落ち着いたら。
本当に会いたい人は、来週の水曜どう、と書くの。
場所と日にちを自分から出す。断られたら別の日を出す。
主語のない誘いは、誘ってる形をしたおしゃべりでしかない。あれで期待するの、もうやめた。
三ヶ月分の脳の容量が、消えた
一番腹が立ったのは、彼にじゃなくて自分にだった。
通知が鳴るたびに反応して、返信の速度を調整して、既読の時間を確認して。
その三ヶ月、新しい出会いに一切目を向けなかったの。誘われた飲み会も断ってた。
八ヶ月放置してきた人のために、三ヶ月を差し出した。
収支が合わなすぎて、思い出すと今でも眉間に力が入る。
本気かどうかは、二往復目で全部わかる
一通目に、空白の説明があるか
最初のメッセージを見て。
八ヶ月なり一年なり、その間の説明があるかどうか。
連絡できなくてごめん、という一言があるだけで全然ちがう。
空白をなかったことにして、昨日の続きみたいに話し始める人。
その人の中で、あなたはいつでも再開できる相手として登録されてる。
そういう扱いを受け入れるかどうかは、自分で決めていい。
質問が来るか、話が広がるか
二往復目で判定できる。
あなたの近況を聞いてくるか。自分の話ばかりして終わるか。
興味がある人は質問する。会いたい人は日程に触れる。
どっちもなく、うんうんと相槌だけが返ってくるなら、退屈しのぎ。
時間を空けずに、その場で判定していい。
深夜にしか来ないなら、答えは出てる
連絡が来る時間帯を三回分メモしてみて。
全部二十三時以降なら、それは昼間に思い出されてないってこと。
本気の相手には、普通の時間に連絡するの。
昼休みとか、通勤中とか、そういう素面の時間。
深夜だけの人は、酔いと寂しさの副産物。冷たいようだけど、そう。
返信するかどうかで悩む必要は、ない
すぐ返しても、価値は下がらない
返信を三日寝かせる作戦、意味ない。
遊びで連絡してきた人は、三日待っても遊びのまま。本気の人は、三日待たされたら不安になるだけ。
駆け引きで相手の本気度は変わらないの。変わるのは、あなたが消耗する時間だけ。
返したいなら返せばいい。返したくないなら無視でいい。
期限を先に決めておく
わたしが今やってるのはこれ。
久しぶりの連絡が来たら、二週間だけ様子を見る。
その間に、具体的な日付を出した誘いがあるかどうか。
なければ、こっちから終わらせる。返信をやめるだけ。
期限を決めておくと、一通ごとに一喜一憂しなくなるんだよね。
通知が鳴っても、判定材料が増えただけ、って処理できる。心拍数が上がらなくなった。
会うなら、昼にする
どうしても会いたいなら、時間帯を指定してみて。
土曜の昼、カフェで。これで難色を示すなら、彼の目的はあなたと話すことじゃない。
夜じゃないと嫌がる人の意図は、わりと単純だから。
この一手、判定の精度がかなり高い。しかも早い。
三ヶ月かけて答え合わせするより、一往復で済ませたほうが人生に優しい。
金曜の二十三時四十七分。
たぶん既読だけつけて寝る。
成長したのか、単に疲れてるだけなのか、自分でもよくわかんないんだけどね。
