デートで緊張すると言われたら脈あり?男性心理と距離が縮む返し方

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赤いビロードの椅子に腰を下ろして、ひと息ついたときのこと。
向かいの彼が、ぴしっと背筋を伸ばした。
「すみません、今日めちゃくちゃ緊張してて」
お冷やが運ばれてくるより、まだ先の話。
え、なんで?私、そんなに怖い顔してる…?
組んだ指の隙間が、じっとり湿っていく。

デート中に緊張すると口に出す男性は、ほとんどがあなたに本気で向き合ってる。
ひと握り、口先だけの例外が混ざっているのも本当。
しかも、返し方ひとつで行き先が変わる。
距離を縮める追い風にもなれば、気まずい沈黙の種にも化けるから、あなどれない。

目次

緊張すると言われた日、私がやらかしたこと

喫茶店の入り口でメニュー看板を読み返していた人

相手は、職場の先輩が引き合わせてくれた4つ年上の男性。
ピアノの調律を仕事にしている人だと聞いていた。
待ち合わせは、駅前に昔からある古い喫茶店。
10分前に着いたら、彼はもう店先に立っていたの。
入り口のメニュー看板を、上から下まで何度もなぞるように読みながら。
(そこ、ナポリタンとピラフしか書いてないけど…)

椅子に座って10秒で飛び出したのが、さっきのあの台詞。
彼は眼鏡を外して、おしぼりでレンズを拭き始めた。
拭いてはかけ、かけてはまた外す。
最初の30分で5回。
数えていた私も私だけど(笑)。
テーブルの下では、彼の膝が小刻みに揺れている。
そのたびに、クリームソーダの表面に細かい波紋が広がった。

私そんなに怖いですか?と聞き返した瞬間

中学のころから、黙っていると怒ってるみたいと言われ続けてきた顔。
目尻がきゅっと上がっていて、笑っていないと近寄りがたく見えるらしい。
だから緊張の二文字が、私の耳には別の意味に届いちゃったんだよね。
あなたが怖い、って。

気づいたら、口が先に動いてた。
「え、私そんなに怖いですか?」
レンズを拭く彼の手が、宙でぴたりと止まる。
いや、そういう意味じゃ…と言いかけたまま、耳までみるみる赤くなっていった。
視線はそのまま、テーブルの木目へ。
壁の振り子時計のカチ、カチ、という音だけが、やけに大きく響く。
(やっちゃった。完全にやっちゃった…)

彼が差し出したのは、勇気をふりしぼった打ち明け話。
それを私は、問いつめるような質問で押し返した。
顔への引け目を通して、彼の言葉をねじ曲げて受け取った瞬間だった。

司会者に変身して質問を30個投げた90分

壁の時計の音がまた聞こえてきそうで、そこから私は司会者に変身した。
ご出身は、ご兄弟は、お休みの日は何を。
彼が答え終わる前に、次の質問を喉元に用意してる。
笑うところでもない話に、手を叩いて大笑いしてた。
深夜ラジオのDJだって、もう少し息継ぎするはず。

彼の答えは、回を追うごとに短くなっていった。
そうなんです、ですね、はい。
私のナポリタンは、ひと口食べたきり皿の上でかぴかぴになってたし。
帰りの電車で、思い出せる質問をスマホのメモに書き出してみた。
数えたら、30個を超えてた。
面接官か!

改札の前で、彼は深々と頭を下げた。
今日はありがとうございました、やっぱり緊張しました、と。
頬の筋肉はつりそうで、喉はひりひり。
お冷やを3杯も飲んだのに、口の中はカラカラ(泣)。
疲れさせたんだ、もう会ってはもらえない。
そう思いこんで、コートも脱がずにベッドへ突っ伏した。
夜の11時すぎ、枕元のスマホが短く2回震えるまでは。

デートで緊張すると言われたのは脈あり?

どうでもいい相手の前で男は弱みを明かさない

脈があるかないかで言えば、針は脈ありのほうへ大きく振れてる。
男にとって緊張は、できれば人に見せたくない弱み。
余裕のある大人に見られたい相手の前なら、なおさらなんだよ。
それでも言葉にするのは、今日のぎこちなさをあなたに誤解されたくないから。

緊張って、失いたくないものの前でしか生まれないじゃん。
取引先へのプレゼン、好きな人への告白、合格発表の掲示板。
どうでもいい相手とお茶をするだけで、声が上ずる男はいない。
あなたを、うまくいってほしい相手の側に数えている。
緊張するの一言には、そんな本音がこっそり忍ばせてあるの。

緊張と気まずさは体の向きで見分けがつく

ただ、緊張という言葉で居心地の悪さをくるんでいる人もいる。
手がかりになるのは、口より正直な体のほう。

緊張している男性は、全身が前のめり。
目が合うとぱっとそらすのに、気づくとまたこっちを見てる。
あなたの話にうなずく回数が、やたらと多い。
グラスを持つ指に、うっすら汗がにじんでいたりもするし。

気まずさを抱えた男性は、その反対で後ずさり。
足先の向きが、出口のほうへじりじり逃げていく。
スマホの画面を、ちらちらと気にしてばかり。
質問が返ってこないまま、会話がぷつぷつ途切れる。
近づきたい体と、離れたい体。
同じように硬く見えても、向かっている方角がまるで逆なんだ。

私が怖いからと自分を責めなくていい

緊張すると言われて、真っ先に自分の顔つきや態度を疑ってしまう人。
喫茶店で自滅した私と同じく、心当たりのある人ほどこの言葉を悪いほうへ読みがち。

心底怖がっている相手に、わざわざ緊張しますなんて申告する?
苦手な上司の前で、あなたは黙ってやり過ごすでしょ。
男性だって、気が進まない相手なら、用事を思い出したふりをして早めに切り上げる。
弱いところをさらしたのは、あなたになら見せてもいいと思えたから。

表情を取りつくろわなくて大丈夫。
彼が緊張を口にしたら、目を見てふっと笑う。
言ってよかった、と彼の肩から力が抜けていくのが見えるはず。

デートで緊張すると口にする男性の4つの心理

あなたが特別な人の枠に入った

王道は、やっぱりあなたを異性として強く意識しているケース。
待ち合わせに、早く着きすぎる。
お店の口コミは、隅から隅までチェック済み。
LINEで一度だけ話した好物を、しっかり覚えてる。
なのに当日は、お箸を落としたり、メニューを逆さに開いたり。
準備に熱を入れた分だけ、本番で体がこわばっちゃうのよ。

このタイプの緊張は、場所じゃなくあなたに向いてる。
店員さんとは普通に話せるのに、あなたと目が合うと急に言葉がもつれる。
そのちぐはぐさこそ、好意がこぼれているしるし。
メニュー看板を読み返していた彼も、まさにこの型だった。

あなたよりデートという場に固まっている

人より、デートという行事そのものに身構えているパターンもある。
長く付き合った恋人と別れたばかりの人や、恋愛がすっかりご無沙汰の人。
店の入り方も会計のタイミングも、久しぶりすぎて手順がおぼつかない。
何年も着ていないスーツで、式典に出ているような気分なんだって。

確かめたいのは、緊張の矛先がどこを指しているか。
注文のときからしどろもどろで、会計が終わると肩がすとんと下がる。
それなら、彼を縮こまらせているのは場の空気。
脈がないわけじゃなく、脈を測る前の準備運動中ってところね。
2回目に会うころには、敬語がだいぶくだけてるはず。

うまく話せなかったときの言い訳を前払いしている

会ってすぐ、まだ何も起きていないうちに緊張を宣言する人もいる。
これは、失敗の前払い。
変な間ができても、話がすべっても、緊張してるって言ったし、で帳消しにできる。

職場の後輩男子に聞いてみたら、意外とあっさり種明かししてくれた。
先に言っとくと、ちょっと噛んだくらいじゃ引かれない気がするんすよ、だって。
ずるい?
私はむしろ、かわいげのある作戦に一票。
あなたにがっかりされたくない気持ちが、形を変えただけだもん。
前払いしてまで、今日をいい時間にしたがってるんだから。

口説き文句として持ち歩いている

厄介なのが、緊張するをお決まりの口説き文句にしている男性。
会社の同期は、このタイプにがっちりつかまった。
アプリで知り合った人と、ホテルのバーで飲んだ夜のことね。
彼はグラスをゆるく回しながら、彼女の目をまっすぐ見て言ったそう。
君の前だと、なんか緊張するわ、と。

2週間後の女子会で、別の友達が同じ話を始めたの。
紹介で会った男性に、君の前だとなんか緊張するわ、って言われたって。
スマホの写真を見せ合ったら、まさかの同一人物…!
同期はチーズをつまみかけた手を止めて、しばらく口を半開きにしてた。

本物の緊張は、台詞より先に体に表れる。
視線はぶれない、声は落ち着いてる、手つきもなめらか。
そのくせ緊張するなんて言う男は、言葉だけが体から浮いてるよ。
ガチガチに緊張していたら、あんなに涼しい顔でグラスは回せないもの。

緊張の正体を見抜く3つの手がかり

言われたのが会ってすぐか別れ際か

緊張する、と言われたタイミングで、その重みはがらりと変わる。

会ってすぐなら、前払い型か、場慣れしていないタイプ。
好意の有無は、この時点ではまだ五分五分かな。
会話が温まってきた中盤、目をのぞきこみながら言われたら要注意。
口説き文句の可能性を、頭の片隅に置いておこう。

いちばん重たいのは、別れ際。
改札の前で、今日ずっと緊張してました、と伝えてくる男性。
これは、デート全体をふり返っての感想だからね。
あなたと過ごした数時間が、最初から最後まで気の抜けないものだったってこと。
告白の一歩手前と見ていい。
うちの調律師も、言ったのは会ってすぐと別れ際の2回きりだった。

デザートのころに笑い声が大きくなったか

もうひとつ見てほしいのが、緊張の変わり方。
好意からくる緊張は、時間とともにやわらいでいく。
最初はかちこちだった人が、デザートのころには声を立てて笑ってる。
そういえば、と自分から話題を振ってくるようにもなる。
アイスコーヒーの氷が、だんだん角を丸くしていくみたいに。

一方で、最後まで緊張しっぱなしで、店を出たとたんに頬がゆるむ人もいる。
その顔が物語っているのは、あなたから解放された身軽さかもしれない。
緊張が抜けたのは、あなたと一緒のときか、あなたと別れたときか。
答えはそこに、くっきり書いてある。

その夜のLINEに次の約束が書かれているか

決め手になるのは、解散したあとの彼の動き。
あの夜、短く2回震えたスマホには、こんなLINEが届いてた。

今日は緊張しすぎて、せっかくの時間なのにうまく話せませんでした。
よかったら、もう一度だけ会ってもらえませんか。
次はもう少し、ちゃんと話したいです。

ベッドの上で正座して、画面を3回見直した。
喉の奥から、ひゃっ、と変な声がもれる。
(疲れさせたんじゃ、なかったの…?)

緊張していたことを、あとからもう一度自分で持ち出す。
そのうえで、次に会う約束を取りつけにくる。
この二つがそろったら、彼の緊張は好意の裏返しでほぼ決まり。
今日はありがとうございました、だけで終わるなら、緊張の正体はまだ霧の中。
連絡そのものが途絶えたなら、気まずさのほうだったと割り切っていい。

デートで緊張すると言われたときの返し方

私もと打ち明けて小さな証拠を添える

緊張すると言われたら、返事は私もです、が最強。
小さな証拠をひとつ添えれば、なお効く。
さっきからメニューを3回も開いてるのに、まだ何も決められてないんです、とかね。

緊張って、ひとりで抱えるとずっしり重いのに、二人で持つと驚くほど軽くなる。
テーブルを挟んだ二人が、同じチームに移るひととき。

2回目のデートで、私は開口一番これをやった。
前回、実は私もものすごく緊張してて、しゃべりすぎたんです。
そう切り出すと、彼は一瞬きょとんとして、くしゃっと顔を崩して笑い出した。
質問の数、すごかったですもんね、って。
(バレてた…!)
二人のあいだに張っていた見えない糸が、ゆるやかにたわんでいく。
その日の彼は、眼鏡を一度も拭かなかった。

緊張していないなら、嘘をついてまで合わせなくていいよ。
言ってもらえて、こっちまで気持ちが楽になりました。
それくらいの返しで、彼の言葉は置き去りにされずに済むから。

えんがわを3皿見送った彼に友人がしたこと

大学時代の友人は、返しのうまさで恋をつかんだひとり。
初デートは、休日の回転寿司だったんだって。
カウンターに並んで10分、彼がぼそっとつぶやいた。
緊張して、好物のえんがわをもう3皿見送ってます、と。

友人は吹き出しながら、流れてきた4皿目をさっと取った。
彼の前に、とん、と置いてにっこり。
4皿目は逃がしません。
彼は割り箸を割るのも忘れて、お腹を抱えてたそう。
そこから先は、湯のみのお茶がぬるくなるまで話しこんだらしい。
二人は来年の春、籍を入れるんだとか。

彼女がやったのは、緊張をほぐすことじゃない。
彼の緊張を、二人の笑い話に変えただけ。
直してあげようとせず、一緒に面白がる。
すると、ぎくしゃくしていた空気はするすると溶けていく。

なんで?怖い?と聞き返すのはやめる

やってはいけない返しの筆頭が、なんで?と聞き返すこと。
彼は、自分でもうまく説明できない気持ちを、どうにか口にしたところ。
理由を求められたら、好きだから、以外の答えを探して口ごもるしかない。
はぁ…私の、そんなに怖いですか?は、その最悪の上位版だったわけ。

緊張しなくていいですよ、という励ましも、じつは危うい。
緊張している自分がダメだと言われたように聞こえちゃうから。
かわいい〜とからかうのも、初デートではまだ早くない?

逆の立場で、私も一度だけ痛い目を見てる。
20代の前半、片想いの相手に緊張しますと言ってしまったことがあるの。
返ってきたのは、え、なんで?という素朴な問いかけ。
首から上に一気に血がのぼって、手のひらが汗ですべりそうになった。
あのとき欲しかったのは、理由を問う言葉じゃない。
そうなんだ、と受け止めてくれる相づちひとつだった。

お礼のLINEでは緊張の話に一行だけ触れる

解散後のお礼LINEには、緊張の話を一行だけ混ぜておきたい。
緊張してたって言ってもらえて、私もなんだかほっとしました。
この一文があれば、言って損はなかったと彼の胸に届く。

ただし、長々と引っぱるのはやめとこうね。
緊張させちゃってごめんなさい、と謝るのは、気づかいのつもりが、かえって空気を沈ませる返し。
彼の正直さを、あなたの落ち度にすり替えてしまうから。

緊張が、二人だけのちょっとした合言葉になったら上出来。
2回目に会ったとき、今日は緊張してます?と冗談めかして聞ける。
そこまで来たら、心配ご無用。

緊張している彼との距離が縮まるデートの過ごし方

向かい合う席より横に並べる場所を選ぶ

緊張しやすい相手との2回目は、場所選びで半分決まる。
向かい合わせのテーブル席は、正面から顔を見られ続ける。
視線の逃げ場がどこにもなくて、呼吸が浅くなっちゃう。

狙い目は、横に並んで同じものを眺められる場所。
水族館の大水槽、川沿いの遊歩道、カウンター席のお店。
二人の前に、ゆらゆら泳ぐエイや、きらきら光る川面がある。
話題に詰まっても、見て、あれ、と指さすだけで会話がつながるの。

向かい合う席が面接なら、横に並ぶ席は相棒の配置。
同じほうを見ていると、不思議と口の滑りがよくなる。
えんがわの二人が打ち解けたのも、カウンターで隣り合っていたおかげかもね。

沈黙を埋めずに手を動かす

あの秋の私に、何より伝えたいのはこれ。
沈黙を埋めるのは、あなたの仕事じゃない。
黙っている数秒を、失点みたいに怖がらなくていいんだよ。

それでも間がもたないなら、手を動かせる場所へ行っちゃおう。
釣り堀、ボウリング、屋台のたこ焼き。
手元に気を取られているあいだは、黙っていても気まずくならない。
浮きがぴくっと沈んだとき、二人で同時に声を上げたりしてさ。
小さな事件をひとつ一緒にくぐり抜けたら、会話より先に間合いが詰まっていく。

緊張している人の口は、正面からこじ開けようとしても開かない。
隣で手を動かしているうちに、気づけば勝手にほどけてるものよ。

3回会っても緊張が解けないときは下がり方を見る

新しい靴って、履き始めはどうしても指先が窮屈でしょ。
2回、3回と履くうちに、革がじわじわ足になじんでいく。
3回目でまだ靴擦れができるなら、サイズがそもそも違う。

緊張も、見るべきは固さそのものより下がっていく角度。
1回目より2回目、2回目より3回目。
わずかでも笑顔が増えているなら、彼の歩幅に合わせて進めばいい。

3回目になっても、初対面と変わらない緊張ぶり。
別れ際にだけ、彼の顔が晴れ晴れとする。
あなたは毎回、話題を探して必死に沈黙をつぶしている。
正直言って、その関係は付き合ったあとで確実に息切れするよ。
あなたが司会を降りたら止まってしまう恋なら、どこかで無理が重なってる。

張りつめた弦だからいい音で鳴る

3回目のデートで見せてもらった調律の仕事

3回目のデートの場所は、彼の仕事場だった。
夕方から演奏会がある、郊外の小さなホール。
本番前に調律をするから、よかったら見に来ませんか、と誘われたの。

がらんとした客席の真ん中に、私ひとり。
舞台の上で、彼が同じ鍵盤を何度も叩く。
ポーン、ポーン。
細長い工具でピンをわずかに回すたび、揺れていた音がすうっとまっすぐに伸びていく。
耳をすます横顔は、喫茶店の彼とは別人みたいだった。

休憩のとき、彼はピアノのふたの中を指さして教えてくれた。
中には、230本ほどの弦が張られていること。
全部合わせれば、20トン近い力がかかっているという話にも目を丸くした。
「弦って、ゆるんでると音がぼやけるんです。張りすぎると切れる。ちょうどいい張りを探すのが、僕の仕事で」
そこまで話すと、彼はピアノのほうを向いたまま、小さな声で付け足した。
「だから、あの日ずっと緊張してたのは、ちゃんと鳴ってたってことなんだと思います」
言い終わるなり、眼鏡を外してレンズを拭き始める。
心の中で数えていた回数が、またひとつ増えた。
客席の私はといえば、ハンカチを両手でぎゅうっと握りつぶしていた。

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