深夜零時のトーク画面で、指が止まった
飲み会の解散後。
タクシーの中で通知が鳴った。
「今日ありがとう! また飲もうな」
窓の外を流れる街灯を見ながら、返信を考えてた。
車の揺れで指が滑って、変な文字を打っては消す。
うん、また!
いいね、行こう!
こちらこそありがとう!
どれも同じに見えてきて、結局送ったのは、
「こちらこそ楽しかった! また飲もう〜」
送信した瞬間、なんか物足りなかった。
何が足りないのか、そのときは言葉にできなかったんだけどね。
返信で悩むのは、判定できないから
また飲もうの返信を調べる人が固まってるのは、たぶん相手の本気度が読めないせいだと思う。
本気なら乗りたい。
社交辞令なら、乗ったら痛い人になる。
その判定が終わらないから、当たり障りのない返事に落ち着く。
そして、当たり障りのない返事を送ると、当たり障りのない結果になる。
先に言っておくね。
判定は、返信の中でやれる。待たなくていいの。
また飲もう、が出てくる場面ごとの重さ
解散直後のメッセージは、余韻の産物
帰り道や、家に着いた直後に送られてくるやつ。
これは、その場の楽しさが残ってる状態で打たれてる。
気持ちは本物。
ただし、賞味期限が短い。
三日経つと、その熱は消えてる。
だから、返信のタイミングが重要になる。
熱が残ってるうちに具体化しないと、また飲もうは記憶から消える。
大人数の飲み会の後なら、全員に送っている可能性
参加者みんなに同じ文面を送ってる人、普通にいる。
幹事だった場合は特に。
判定材料としては弱いから、文面の個別性を見て。
今日の話面白かった、とか、あなた宛ての内容が入ってるかどうか。
定型文なら、まだ何とも言えない。
二人で飲んだ後なら、意味が重い
サシで飲んで、その後に来た、また飲もう。
これは、かなり本気度が高い。
二人の場を作った時点で、その人はあなたと過ごしたいと思ってる。
そして、また、と言った。
ここで曖昧に返すのは、けっこうもったいない。
酔ってる時間帯に注意
深夜二時、三時に届いた、また飲もう。
翌朝、本人が覚えてない場合がある。
朝に返信して、反応が薄かったら、そういうこと。
夜のテンションで送られたメッセージを、真面目に受け取りすぎないほうがいい。
また飲もう〜、で終わらせた三ヶ月
波線が、全部を曖昧にした
タクシーの中で送った、また飲もう〜。
あの波線が良くなかったと思ってる。
軽くしたつもりだった。重く思われたくなかった。
でも、軽くした分、本気度も伝わらなかったの。
向こうからしたら、社交辞令に社交辞令が返ってきた形。
そこで会話が終了した。
次の飲み会は、三ヶ月後の別の集まりだった
その後、彼から個別の連絡は来なかった。
次に会ったのは、三ヶ月後の大人数の飲み会。
彼、普通に話しかけてきた。楽しそうだった。
じゃあ、なんで誘ってくれなかったの。
心の中でそう思いながら、笑って乗ってた。
今ならわかる。
彼は、わたしが乗り気じゃないと判断したんだと思う。
波線ひとつで、そう見えたのかもしれない。
返信の役目は、感謝じゃなくて確定
学んだのはここ。
また飲もうへの返信で伝えるべきは、楽しかった気持ちじゃないの。
本気で次を望んでいる、という情報。
ありがとうも、楽しかったも、相手はすでに知ってる。
新しい情報を渡さないと、話は進まない。
返信に足す、たった一行
飲みたい店を、名指しする
これが一番手軽で強い。
「楽しかった! 次は駅前の日本酒の店行きたい」
また飲もうという抽象的な話が、日本酒という具体になる。
相手は、いいね、じゃあ行こう、と返せばいい。
場所が決まると、その後の日程が動き出す。
順番として、日付より場所のほうが出しやすいの。
時期をぼんやり置いて、様子を見る
日程をいきなり出すのが重いと感じるなら、これ。
「今月中に行きたいね」
確定はしてない。でも、期限は示してる。
本気の相手なら、じゃあ来週は、と乗ってくる。
社交辞令なら、そうだね、で流れる。
一往復で判定が終わる。
相手が話していた内容を、拾い返す
これも効く。
その日の会話で出た話題を、返信に混ぜる。
さっきの転職の話、もっと聞きたい。
おすすめのウイスキー、教えてほしい。
次に会う理由が生まれるでしょ。
飲みたいから飲む、より、話したいことがあるから飲む、のほうが約束になりやすい。
返信は、当日中に
翌日に返すと、熱が下がってる。
その日のうち、できれば一時間以内。
駆け引きで寝かせる意味はゼロ。
飲み会の余韻が残ってる時間帯が、一番話が進む。
同僚レナが、一往復で予約まで取った
返信に、日付と店を両方入れた
同じ場面で、レナが送った返信がこれ。
「今日ありがとうございました! 来週の水曜あたり、この前話してた串の店行きません?」
日付と、店と、話題の引用。
三つ全部入ってる。
返ってきたのは五分後。
いいね、予約する、と。
断られる可能性を、先に受け入れていた
彼女に聞いたら、こう言ってた。
「断られたら、社交辞令だったってわかるだけなんで」
この割り切り方、強いと思う。
判定が出れば、期待を持ち続ける必要がなくなる。
返信一通で終わるか、三ヶ月モヤモヤするか。
コストが全然違うでしょ。
乗り気じゃない場合の返信
お礼だけで止める
行きたくない相手からの、また飲もう。
ここで、また行こうね、と返すと期待させる。
今日はありがとうございました、で終わらせる。
次の話に触れない。
感じの良さと、曖昧さは別物なの。
礼儀は尽くして、約束はしない。それでいい。
気を持たせるのは、優しさじゃない
炎上覚悟で書くね。
断りたいのに社交辞令で返すのは、相手の時間を奪う行為。
向こうは、その返信を根拠に誘う機会を探す。
そして誘って、断られる。
最初に温度を落としておけば、その往復は発生しなかった。
また飲もうを、放置しない
言った側も、実は待っている
また飲もうと言った人は、その言葉を投げた後、反応を見てる。
乗ってこなければ、脈なしと判断して引く。
本気で誘いたかった人ほど、そこで諦める。
つまり、返信が薄いと、本気の誘いまで消えるの。
判定を待ってると、判定される対象はこっちだったりする。
三ヶ月待つより、一通で終わらせる
返信を具体的にして、それで流れたなら、そこで終わり。
待ち続ける三ヶ月と、返事が来ない一日。
どっちが軽いかは、考えるまでもない。
あのタクシーの中で打った波線、今でも思い出す。
三ヶ月分の何かが変わってたのかもしれないんだよね。
