本当に好きな人とは結ばれないは半分本当。理由は運命じゃない

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友達の結婚式の帰り道だった。
電車の窓に、自分の顔がぼんやり映ってる。
新郎新婦を見ながら、ずっと考えてたのは、あの人のこと。もう何年も会ってないのに。
今の相手は優しいし、大事にしてくれてる。それは本当。
でも、あの時のあの感じは、もう一生こないんだろうな
そう思った瞬間、喉の奥がすっと狭くなった。誰にも言えないよね、こんなこと。

本当に好きな人とは結ばれないのは運命だとか、縁がなかったとか、そういう説明で片づけてる記事は多いけど、私はそこを取らない。
このジンクスは、半分だけ当たってる。ただし理由は、運命じゃない。

目次

このジンクスは、半分だけ当たってる

結ばれないから、本当に好きのまま冷凍される

考えてみて。結ばれなかった恋って、どこで止まってる?
いちばん盛り上がってた瞬間。会いたくてたまらなくて、返信一つで一日が決まってた、あの時期。
そこで関係が途切れると、その恋は、その温度のまま冷凍保存されるの。
生活を通ってないから、劣化しない。喧嘩もしてないし、寝癖の顔も見てない。お金の話も、家事の分担も、一度も揉めてない。
つまり、あなたの記憶の中に残ってるのは、いちばんきれいな瞬間で凍らせた標本。
それを、今隣にいる生身の人と比べたら、そりゃ勝てないでしょ。相手が悪いんじゃなくて、比べ方の問題なの。

結ばれた恋は、熱が別のものに変わるだけ

一方で、結ばれた恋はどうなるか。
冷凍が解けて、日常という空気にさらされる。当然、形は変わる。
毎日会える人に、会いたくて眠れない夜は来ない。返信が来るのが当たり前になれば、通知に飛び上がることもなくなる。
それを、冷めた、と読む人が多いけど、実際は熱が別の形に変わってる。ざわざわした興奮が、安心に置き換わっていく。
だから、いちばん好きだった人、を記憶から探すと、いつも結ばれなかった人が出てくる。
本当に好きな人と結ばれないんじゃない。結ばれなかった人を、本当に好きだったと感じやすい。順番が逆なんだよ。

好きすぎる相手の前で、あなたは弱くなる

嫌われたくないから、本音が全部消える

もう一つ、運命なんかじゃない、身も蓋もない理由がある。
本当に好きな相手の前で、人はいちばん下手になるの。
どうでもいい相手には、平気で意見を言える。冗談も言えるし、断るのも簡単。
なのに、本命の前だと、嫌われるのが怖くて言葉を飲み込む。誘いを断れない。行きたくない店に、行きたいと言う。
好きだから頑張ってるのに、その頑張りが、あなたの角を全部削っていく。
結果、彼の前にいるのは、なにも主張しない、当たり障りのない人。それって、印象に残らないんだよね。

素を見せないまま、いい人だけを差し出している

好きな人には、いいところだけ見せたい。分かる。私もそうだった。
でも、相手からするとどう見えるか。
話は合うけど、この子が何を考えてるのかよく分からない。踏み込ませてもらえてない気がする。
恋人になるって、素を見せ合う契約みたいなものでしょ。素を隠しつづける相手とは、そこから先に進めない。
好きすぎる恋が実らない理由は、運命の采配じゃなく、あなたが本命の前でだけ、実力の七割で戦ってるから。
これ、けっこう痛いけど、逆に言えば、変えられる部分でもあるの。

その好きは、相手じゃなく手に入らなさに向いてるかも

障害が多いほど、気持ちは勝手に燃える

もっと厳しい話をするね。
遠距離、既婚、相手に恋人がいる、住む世界が違う。障害があるほど、恋は激しくなる。
それって、相手の魅力が高いからじゃなく、手に入らないという状態そのものが、熱を作ってるの。
届きそうで届かないものに、人は集中しちゃうから。
だから、本当に好き、と感じてる強さが、そのまま相手との相性の高さを表してるとは限らない。
熱の高さは、距離の遠さを測ってるだけ、ということが、けっこうあるんだよね。

手に入った瞬間に冷めた経験があるなら

判定材料を一つ置いとく。過去に、こんなことなかった?
ずっと片思いしてた人と、いざ両想いになったら、思ったほど気持ちが続かなかった。
追いかけてる時期がピークで、付き合った途端に、あれ、となった。
それがあるなら、あなたの本当に好き、の一部は、手に入らなさに反応してる可能性が高い。
自分を責める話じゃないよ。人の脳は、だいたいそういうふうにできてるから。
ただ、その仕組みを知ってるかどうかで、次の選び方が変わる。

好きな人の前で、私は別人になっていた

前日に面白い話を用意して、笑い方まで変えてた

恥ずかしい話をする。
二十代の頃、本気で好きだった人がいてね。会う前日、私は準備をしてたの。
彼が好きな音楽を予習して、話題になりそうなニュースを調べて、面白い話のストックを三つくらい用意して。
当日は、彼の意見に全部うなずいて、行きたくもないアウトドアの誘いに、行きたい、と即答した。
極めつけは、笑い方。大口を開けて笑うのをやめて、口元を押さえる笑い方に変えてた。鏡の前で練習したこともある。今書いてても、うわあ、ってなる(笑)。
私は必死だった。好きだったから。でも、あそこに座ってたのは、私じゃなかった。

三年後、彼が選んだ人を見て分かったこと

決定的だったのは、共通の男友達に言われた一言。
お前さ、あいつの前だと別人だよな、って。
その友達の前では、私はげらげら笑うし、変な顔もするし、意見も普通にぶつけてた。素だった。
言われた瞬間、指先がひやっとした。反論できなかったから。
三年後、彼が付き合ったのは、彼の前でも平気で違うと言う子だった。しかも、彼が本人にこぼしてたらしい。気を遣われるのって、疲れるんだよな、って。
私が三年かけて磨いてたのは、彼を遠ざけるための技術だったってこと。すとんと腑に落ちて、しばらく動けなかったな。

熱の高さと、続く関係は別の物差し

ときめきの量で選ぶと、消耗する相手を選びやすい

ここ、はっきり書いておく。
ときめきって、不安の裏返しであることが多い。
連絡が来るか分からない。気持ちが読めない。だからそわそわして、その落ち着かなさを、恋の熱だと解釈する。
つまり、いちばんときめく相手は、いちばん不安にさせてくる相手だったりするわけ。
心拍数で選ぶと、あなたを消耗させる人を選びやすい構造になってる。
どきどきしないから本気じゃない、という基準は、そろそろ捨てていいと思う。

穏やかな関係は、妥協じゃなく別の種類

今、隣に穏やかな人がいる場合の話をするね。
あの頃みたいな激しさがないことを、妥協の証拠みたいに扱わないで。
一緒にいて呼吸が浅くならない。言いたいことが言える。素の顔で寝られる。
それは熱がないんじゃなく、不安がないの。不安がないと、心臓は静かになる。当たり前でしょ。
冷凍された標本の輝きと、毎日そばで動いてる体温を、同じ物差しで比べるのをやめる。
どっちが上かじゃなくて、種類が違う。それだけの話なんだよね。

結ばれなかった恋を、どこに置くか

猫をかぶるのをやめた友達が、そこから始まった

友達の話をしとくね。
彼女も、好きな人の前でだけ、やたらいい子になるタイプだった。
ある飲み会で、彼の意見にどうしても納得できなくて、つい真っ向から反対しちゃったらしい。言った直後、血の気が引いたって。
これで終わったと思ってたら、翌日、彼から二人で飲もうと誘われた。
言われたのは、昨日初めてちゃんと喋った気がした、という一言。
好かれるために消してた部分が、実は選ばれる理由だった。恋って、そういう皮肉な作りになってるのよね。

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