いいね、予定が合えば行きたいな。
その返信を読んだ時、一瞬だけ、ほっとした。行きたいって言ってくれた、って。
でも、そのあと画面を見つめたまま、動けなくなる。
で、私はどうすればいいんだろう。日付を出す?待つ?
これ、断られてるのかな。それとも、まだ望みある?
返信欄を開いたり閉じたり。その繰り返しで、一時間。
予定が合えば、と言ってくる男、はっきり書くとあの一言は、断りとして設計されてる。
少なくとも、行くことを約束する構文にはなってないの。
ただし、例外もある。見分け方はあるから、順番にいこう。
その一言に、責任の所在が入っていない
行きたくないとも、行けないとも言っていない
文を分解してみて。予定が、合えば。
主語は、彼じゃなくて予定。行くかどうかを決めるのが、彼の意思じゃなくて外部の状況になってる。
つまり、行かなかったとしても、彼のせいじゃない構造なの。予定が合わなかっただけ、で終わる。
嘘もついてないし、断ってもいない。だから、あとで責められることもない。
これ、逃げ道としてかなり優秀な言い回しでしょ。
行きたい気持ちの表明に見えて、実際には何ひとつ引き受けてないんだよね。
調整の手間が、全部こちら側に乗ってくる
もう一つの特徴が、手間の押しつけ。
予定が合えば、と言われた側は、じゃあいつなら、と聞かなきゃいけなくなる。
候補日を出す。反応を待つ。合わなければ、また別の日を出す。
この作業、全部こっちの負担でしょ。彼は座ったまま、来た球に反応するだけでいい。
本当に会いたい人は、この手間を自分で取りにくるの。
誰が調整の労力を払ってるか。それを見るだけで、温度差はかなり見えてくる。
判定は、あなたが日付を出したあとに完了する
空いてる日を出してくるなら、本気
やることはシンプル。具体的な候補日を投げてみる。
今週の土曜か、来週の日曜なら空いてます、みたいに、二択で。
ここで、その日は無理だけど、翌週なら空いてる、と代案が返ってきたら、それは行く意思がある人。
断りたい人は、代案を出さないの。断るだけで済むのに、わざわざ次の候補を探す理由がないから。
自分の空いてる日を開示するのは、それなりのコストなんだよ。
だから、日付が返ってきた時点で、判定はほぼ済んでる。
また予定が合えば、で戻してくるなら答えは出た
一方、こういう返しもある。
その日はちょっと。また予定が合えば教えて。落ち着いたら連絡するね。
これ、同じ場所に戻されてる。前に進んでないの。
一度目なら、本当に忙しいのかもしれない。二度目も、まだ可能性はある。
でも三度目に同じ言葉が出たら、それは確定した回答として受け取っていい。
偶然が三回続いた、と思うより、そういう返事なんだと理解するほうが、あなたの時間が守れる。
本気なのに、この言葉を使ってしまう人もいる
仕事が不規則で、確約が怖いだけの場合
全部を断りだと決めつけないために、例外も書いておくね。
シフト制、繁忙期、急な呼び出しがある仕事。こういう人は、約束して破るのが怖いの。
だから、確約を避けて、予定が合えば、という言い方になる。誠実さゆえに濁してる。
見分け方は、そのあとに続きがあるかどうか。
来週シフト出るから、分かったら連絡する。今月は厳しいけど、来月なら。
条件を出したあとに、いつ確定するかまで言う人は、行く気がある。
言葉のあとに、連絡が来るかどうかで分かる
そして、その人は本当に連絡してくる。
シフトが出ました、この日どうですか、と自分から。
逆に、落ち着いたら連絡する、と言って、その後一度も連絡がない人。
落ち着く日は、たぶん一生来ないの。
言葉の丁寧さじゃなく、その後に連絡が発生したかどうか。これで見分ければ、外さない。
待つ側は、期限を決めておくといい。二週間連絡がなければ、その話は終わったものとして扱う。
私は、予定が合えばを三か月待った
催促だと思われたくなくて、動けなかった
昔、行きたいねと盛り上がった相手がいてね。
そのあと、予定が合えばぜひ、と返ってきた。
私はそれを、前向きな返事として受け取った。だから、待った。
こちらから日付を出すと、がっついてると思われそうで嫌だったの。彼から言ってくれるのを待つほうが、なんとなく安全な気がして。
そのあいだ、やり取り自体は続いてた。日常の話はする。でも、その予定の話だけは、一度も出てこない。
三か月。長かったな。
一度だけ日付を出したら、五分で答えが出た
限界がきて、ある日、候補日を二つ送ってみた。
返ってきたのは五分後。両方ちょっと厳しいかも、また予定が合えば、の一文。
その瞬間、胃のあたりがすとんと落ちた。同時に、変な話だけど、少し楽になったの。
三か月悩んでたことが、五分で片づいたから。
私が守ってたのは、自分のプライドと、可能性が残ってる状態。答えを聞くのが怖かっただけ。
先に聞いてれば、三か月ぶんの夜は別のことに使えたんだよね。
この言葉に、うまく対処する
その場で、期限を短く区切って返す
実践編。予定が合えば、と言われたら、その場で範囲を狭めてしまう。
今月だと、この週かこの週が空いてます、と伝える。
期限を切ると、相手は答えを出さないといけなくなる。いつか、が使えなくなるの。
これ、失礼でも重くもないから安心して。むしろ、予定を立てやすくする配慮として受け取られる。
彼が動くなら、この段階で動く。動かないなら、ここで分かる。
何か月も宙ぶらりんでいるより、ずっと親切なやり方だと思う。
ボールを持ったまま、待たない
もうひとつ大事なのが、待ち方。
予定が合えば、で会話が終わった状態って、実はボールが宙に浮いてるの。彼も持ってないし、あなたも持ってない。
その状態で待つと、何も起きないまま時間だけが過ぎる。私がやった失敗が、まさにこれ。
だから、宙に浮いた時点で、こちらが一度だけ拾って投げる。
それで返ってこなければ、そのボールはもう追わない。追いかけるのは一回まで。
待つと決めるなら、期限を自分で決めておく。無期限の待機は、いちばん消耗するから。
二回流されたら、こちらから終わらせていい
そして、引き際。
候補日を出して流された。もう一度出して、また流された。
そこで止めていい。三度目を出すのは、好意じゃなくて執着に近づいていく。
行きたい人は、二回も断らないの。断ったとしても、必ず自分から代案を出す。
それがない相手を追いかけても、手に入るのは疲労だけだから。
静かに引くのは、負けじゃない。時間の使い方を選び直しただけ。
予定が合えば、から本物になった例
その日のうちに、カレンダーを開いた人
友達の話をするね。
彼女がやり取りしてた人も、最初は、予定が合えば行きたいですね、と返してきたらしい。
彼女はそこで待たなかった。すぐ、来月の第二週あたりどうですか、と絞って返した。
そしたら彼、その日の夜のうちに、この日なら確実に空けられます、と日付を出してきたって。
彼女いわく、予定が合えば、は本気度がゼロの言葉じゃなくて、まだ形になってない言葉なんだと思う、と。
形にする作業を、どっちがやるか。それだけの違いだった、と笑ってたよ。
